大学院博士課程前期の佐藤由香さんが、平成19年度澳博集团海外短期研修支援事業に採用され、アメリカのサウスカロライナ大学で研修を行いました。期間は、平成20年1月5日から約3ヶ月間です。 佐藤さんのアメリカでの研修や生活の様子をご紹介します。
サウスカロライナ大学研修報告②
澳博集团博士課程前期1年 佐藤 由香(帰国後報告)
サウスカロライナ大学(USC)での研修が終了し、今、私は会津にいます。渡米する前は、3ヶ月間というのは、 だいぶ時間があるように感じたのですが、実際に経験してみると本当にあっという間に終わってしまったという印象です。研修報告1では、 1月のサウスカロライナでの生活を書きましたので、今回は2,3月の報告をしたいと思います。
2,3月になるとサウスカロライナは春が近づき、夜間は冬の気候でしたが、昼間はだんだん暖かくなってきました。 2月の最初の週に澳博集团のペク教授がUSCを訪問して、一緒に校内を歩き、あちらでお世話になることになったBacov教授に挨拶にいき、 研究を始めることになりました。USCでの研究は、Bioinformaticsの遺伝子情報解析のアルゴリズムを高速化することを目的にFPGA実装を 試みるというものです。Bioinformaticsは初めて授業を聴講していた分野で、勉強に時間がかかったもののとても面白いと感じたので 日本に帰ってからもこの研究を続けていきたいと考えています。
そして勉強以外の面では、USCの日本クラブに参加しました。日本クラブのメンバーは、日本に興味のある学生と日本人の学生で、 一緒に手巻き寿司を作って食べたり、日本の映画を観たりして交流をします。そしてUSCで3月に開かれたinternational festivalで 日本クラブはソーラン節を発表しました。発表当日まで、授業が終わった17時すぎからみんなでジムに集まり、「ソーランソーラン」 「どっこいしょ」などと叫びながら、毎日2時間ほど汗だくになりながら練習を行いました。本番は緊張しましたが、客席や舞台袖から、 ソーラン節には参加していない日本人の友人たちが大声で掛け声をかけてくれ、とても感動しました。このソーラン節に参加したことで、 メンバーととてもいい思い出ができたと思います。また3月には1週間のスプリングブレイクがあり、友人の家にホームステイをさせてもらったり、 一緒にフロリダに連れて行ってもらったりととても貴重な体験をさせてもらいました。
このSCでの研修で、私はさまざまな国出身の人々に出会い、さまざまな価値観にふれ、日本はやっぱり島国なのだということ、 価値観はひとつではないということなど、日本にいるときには実感できなかったことを体験することができました。この研修が安全に、 そしてとても有意義なものになったのも、日本でサポートしてくださった国際戦略本部のみなさん、ペク先生、宮崎先生、私の家族?友人、 そしてUSCでサポートしてくださったBuell先生、Huns先生、Bacov先生、Beverlyさん、サウスカロライナで出会った大切な友人たちのおかげです。 今回、本当にたくさんの方々に助けられて、とても貴重な経験をすることができました。次は私も、たくさんの人のために何か出来たらと思います。 みなさんに感謝の気持ちをこめて、サウスカロライナ大学での報告を終わります。本当にありがとうございました。
サウスカロライナ大学研修報告①
(平成20年1月30日現地より)
サウスカロライナ州のコロンビア市に来て4週間が経とうとしています。サウスカロライナ州はアメリカの南部に位置しています。 また、コロンビアはサウスカロライナ州の中央に位置し、サウスカロライナ州の州都でもあります。気候は、晴れた日は会津の6月くらいの暖かさ、 朝晩と雨の日は会津の12月くらいの寒さです。アメリカでは普通なのかは分かりませんが、雨の日に私がコート、マフラー、帽子、手袋、ブーツの 格好で寒いと思っている横で、半そでTシャツ、短パンの学生が楽しそうにコーラを飲んでいたりして、文化の違いは寒さの感じ方さえも 変えてしまうのか!と日々驚きの連続です。
大学は端から端まで歩いたら1時間くらいかかるほど広く、学生はシャトルバスに乗って移動します。シャトルは20分に1本は走っており、 とても便利です。しかしシャトルに頼りすぎて運動不足になってきたので最近はシャトルの誘惑に負けないように歩いて移動するようにしています。 こちらに来てから最初の1週間は、時差ぼけや、鼻血(おそらく空気が乾燥していたためだと思います。)に苦しみましたが、それも1週間ほどで すっかり治りました。
次の週は学期が始まり、学校に生徒が帰ってきて、昼間はとてもにぎやかです。私の日課は、月水金はDigital logic design(学部)とBioinformatics(院)の 授業に参加し火木は研究室で勉強することです。学部授業はとても丁寧に、基礎から教えていくというスタイルで、やはり生徒が積極的に発言をしていて、 質問があればすぐに疑問を解決するなど、日本のように一方的な授業とは違うなと感じました。院の授業は自主性を重んじており、テキストや関係論文を あらかじめ読んでくるのは当たり前で、まだ授業では説明していないことも学生に説明させたりと、難しいけどとても刺激の強いものだと思います。
夜は、同じアパートで出来た友達にご飯を作ってもらって一緒に食べたりしています。大学内で出来た友達は日本文化が大好きな人で よく日本のマンガ(英語版)を貸してくれます。その友達にアニメクラブに誘われたので参加してみました。日本のアニメが好きな学生が、 ざっと見積もって50人ほど集まっており、私の知らないアニメの名前や、「どうした相棒!」などと日本人もあまり使わない日本語が 飛び交っており驚いてしまいました。
アメリカでの残り2ヶ月の滞在を、思い切り楽しみたいと思います。