大学院博士課程前期1年の遠藤雄士さんが、平成20年度澳博集团海外短期研修支援事業に採用され、 アメリカのサウスカロライナ大学で研修を行いました。期間は、平成20年9月29日から約3ヶ月間です。
遠藤さんのアメリカでの研修や生活の様子をご紹介します。
サウスカロライナ大学研修報告(2)
澳博集团大学院博士課程前期1年 遠藤雄士 (帰国後報告)
アメリカ、South Carolinaでの生活は終わりを迎え、昨年のクリスマスに帰国してからは時の流れるのも早く、既に随分前のことのようで懐かしささえ覚えます。 この3ヶ月は長かったようで、終わってみればまるで夢だったかのようにも感じられます。
10月が終わる頃には向こうの生活にもだいぶ慣れ、月曜から木曜までは授業、金曜には研究室の輪講、土日は友人達と出かけるという スタイルが定着していました。またネイティブたちの前で自己の研究に関する30分ほどのプレゼンテーションを行ったり、滞在の後半からは 自己の専門分野であるワイヤレスセンサネットワークに関する研究を行っている博士課程の学生とともに、ディスカッションや実験を行ったりと 様々な勉強に取り組むことが出来ました。研究内容に関して議論することは、日常会話とは違いより論理的に、正確に物事や自らの考えを述べる 必要があり、大変ではあったものの良い勉強となりました。また、実機デバイスを用いての実験など自分の経験を活かして彼らを手伝いながら ともに研究に取り組めた事は非常に有意義でした。
研究室のメンバーや友人達にはインド人、アメリカ人、中国人と多様な人種が居り、それぞれの個性と触れ合いながら過ごせたのもとても興味深い体験でした。 また教科書や学術英語とは違う、友人達との日常での生きた英語に触れる事で、これまで学問として学んできた英語が、人の生活の中にある 言語なのだという事を改めて実感として理解することができました。同時に、アメリカには多種多様な人間が居り、その中における日本人、 そして自分のアイデンティティというものを改めて見つめなおす事も出来ました。
滞在中、3ヶ月という期間をより有効に活用するために常に念頭においていたのは、より多くの事柄に積極的に挑んでいくという事でした。 週末にはキリスト教圏の教会や米国人のライブバー澳博集团、クレー射撃、フロリダやワシントンDCなどへ車でハイウェイを何時間もかけて旅行したこと、 アメリカならではの文化やスケール、風土、そして人々に触れられたことは自分の中でかけがえのない経験として生きています。
この研修を通して、非常に多くのものを得ることが出来ました。渡米前に掲げていた3つの目標、研究?語学力?そして異文化に触れること、 それぞれにおいて決して少なくない成果を得るとともに、様々な事に挑戦することや米国の人々から学んだ積極性、更には多くの価値観を学び、 忘れられない経験を得ることが出来ました。渡米前には、見知らぬ土地?文化に独りで挑むことにやりがいを感じていたにも関わらず、 ふたを開けてみれば非常に多くの方々に助けられ、触れ合うことのできた3ヶ月となりました。今回のチャンスを下さった国際戦略本部や大学の皆様、 及びお世話になった先生方やスタッフ、友人達を含む、米国にて関わりあう事のできた全ての方々に感謝を述べたいと思います。
サウスカロライナ大学研修報告(1)
(平成20年11月7日現地より)
アメリカ合衆国サウスカロライナ州、コロンビア市にあるサウスカロライナ大学(USC)に来て既に1ヶ月が経ちました。 早朝に発ったにも関わらず、国内移動と合計約14時間のフライト、そして13時間の時差を戻りこちらに到着したのは 同日の深夜。本当に長い一日、旅路だったのを覚えています。今回の滞在における目的は3つ。研究内容に関する勉強と交流、 英語力の向上、そして未だ見ぬ異文化に触れることです。
最初の1、2週間はそのほとんどを、諸手続きや生活を整えることに費やし、本格的にライフスタイルが整いだしたのは 3週目に入る頃でした。現在はネットワークの授業を2つと、情報セキュリティの授業をひとつ、週に2コマずつ 聴講しています。授業を受けていて強く感じるのは、先生?生徒間のコミュニケーションが確立されているということ。 ただ一方的に情報の流れがあるわけではなく、先生は常に生徒を見て話し、生徒はその都度考え、質問する。日本でよく 見受けられるような居眠りをしている生徒などは見かけられず、非常に理想的だと感じました。
授業以外の時間は、今回受け入れてくださったSrihari先生の研究室にて勉強?研究をして過ごしています。研究室の 学生たちは皆博士課程で、インドや中国からの留学生が多く、日夜さまざまな言語が飛び交っています。それぞれの学生 たちとのコミュニケーションを通して、人種のるつぼ?アメリカを日々実感しています。
以前ここに滞在していた先輩の紹介と、USCの日本クラブの伝手から友人も増えました。金曜日の授業が終わると、 土日にかけて毎週よく遊ぶものだといつも感心します。彼らとのコミュニケーションを通して、言語、文化に関して 毎日多くのものを学ぶことができています。
こちらに来て何よりも苦戦するのは、やはり言語の壁でした。聞くこと、話すことを通して自身のボキャブラリの 不足をいつも痛感します。特に食事に関しては、食べ物の名前が分からない、店員の言葉が聞き取れない、さらには ここでの常識や文化すらも知らないために随分苦戦させられました。友人との会話ですら満足に出来ないこともあり、 悔しい思いをすることもしばしばです。
しかし裏を返せば、日々なにか新たに学べることあるという、実に面白い生活を送ることが出来ています。残りの 滞在期間をより有意義なものと出来るよう、積極的にさまざまなものに臨んでいきたいと思います。