大学院博士課程前期1年の二星翔さんが、平成20年度澳博集团海外短期研修支援事業に採用され、シンガポールの南洋工科大学で研修を行いました。 期間は、平成20年10月1日から約3ヶ月間です。
二星さんのシンガポールでの研修や生活の様子をご紹介します。


南洋工科大学研修報告(2)

澳博集团大学院博士課程前期1年 二星 翔 (帰国後報告)

昨年の暮れ、ちょうど12月31日に3ヶ月にも及んだインターンシッププログラムが終わりました。海外での生活や勉強は思いのほか苦労したことが 多々あり大変でしたが、色々な体験をしたり、たくさんの人たちに出会うことができました。大変だったことを含めてとても充実した3ヶ月を 過ごすことができました。

思えば最初の苦労は書類作業でした。インターンシップへの参加、滞在のための部屋の確保、ビザの取得、などのための書類を自分で 用意しなければいけなかったので、実際に現地に行くまでが長い道のりでした。そういった公的な書類には、普段使わない英単語が 書かれていたりするので苦しめられたりしたのですが、今考えればよい経験になったのかと感じます。

滞在の間は、インターンシップ生としてT-Engineの研究をしていたのですが、12月の中ほどから短期の授業をいくつかとって講義にも参加しました。 実は海外での授業はこれが初めてで、授業はけっこう難しかったです。講義のひとつはコンピュータ関連の授業だったこともあり普段聞き及んだ 英単語があり理解しやすかったのですが、他の授業は工学や数学など普段聞くことのない専門用語が出てきて内容を十分に理解できませんでした。 しかし、初めてだった海外での授業は新鮮で、ふだん触れない英語に触れることができ勉強になりました。私の所属していたラボには何人かの 学生がいて色々話をしたのですが、その中に偶然にも同じアパートに住んでいる中国人の修士の学生がおり、彼とは特に親しくなりました。 帰りが同じときは、話をしながら帰ったりと、中国のことやNTUの修士課程のことなどを教えてもらいました。年末にマレーシアに行って 楽しんだとかで、この前メールがきていました。

12月の中ごろになるとインターンシップも終わりに差し掛かり、研究室に来る学生が減ったのと、私自身の研究が忙しくなったのとで、 他の学生と話す機会が減ってしまったのですが、それでもたまに学食でご飯を食べたり、学内でテニスをしたりといろいろ楽しみました。 また、運良くインターンシップ中にクリスマスがあったので、研究室内でのクリスマスパーティにも出席しました。研究室のパーティなので 小規模なものだったのですが、七面鳥やケーキなども用意されており、CHiPESメンバーと一緒に楽しい時間を過ごさせてもらいました。 週末は相変わらず、街を散策したり、観光スポットを訪れたりしていました。他の人から色々お勧めの場所を教えてもらったのですが、 全部を回りきれず、色々行きたい場所を残したまま帰国することになりました。帰国日前日にシンガポールのお土産についてアドバイザーの方に聞くと、 「Chinatownがいいよ」と地図まで書いていただき、Chinatownでお土産を買い、最後の観光としました。

過ぎてみればあっという間の3ヶ月で、帰る際になってもう少しいたかったななどと名残惜しく思いました。そんな留学生活は 本当にいろいろなことがあり、貴重な体験でした。研究はもちろんなこと、色々な人、文化、英語に触れ、たくさんの色々に出会った3ヶ月でした。 初めに来たときは英語も満足に使えず会話に困ることも多かった私ですが、色々な経験を経て数週間後には立派にシンガポールで暮らしていける程度 には成長し、3ヶ月を乗り切った今ではひとつの自信になりました。よかったな、と今そんなふうに思えるのには、もちろん色々とお世話 していただき助けていただいた人たちのおかげであり、そんな人たちとの出会いが私にとって一番幸運で大きな収穫でした。最後になりましたが、 みなさん、ありがとうございました。


南洋工科大学研修報告(1)

(平成20年11月7日現地より)

シンガポールに住み始めて早一ヶ月。慌しい日々が過ぎて、ようやく落ち着いてきたといったところです。
日本の皆様いかがお過ごしでしょうか。日本ではちょうど冬に入ろうとしている頃と思いますが、そんな日本とは対照的にシンガポールは (突然の豪雨を除けば)晴れ渡った天気が続いています。気温だけでなく湿度も高いので、蒸し暑く少し歩いただけで汗びっしょりになります。 そんな蒸し暑い外とは反対に、建物内は冷房が強くて逆に寒いくらいで、外から中に入ると眼鏡が曇るその気温差には驚きました。

私が今通っている南洋工科大学(Nanyang Technological University NTU)はシンガポール国立の大学のひとつで、山を削って作った 広大な敷地からなっています。いわゆるアメリカの広い大学に憧れていた私は初めて見るその広さに感動していたのですが、最初に 研究室に行くのに迷い、手続きのために学生課へ行くのに迷い、国際学生課へ行くのに迷い、と2時間ぐらい学内を歩き回って汗 びっしょりになり、広い大学の大変さを初日から思い知りました。

このNTUの広大なキャンパスには10を越える食堂があり、中国料理、インド料理、ムスリム料理などと非常にバラエティーに富んだ品揃えで、 値段もs$3~4ぐらいなので昼飯、夕食は食堂を渡り歩いて食事を楽しんでいます。もちろん日本食もあり、聞けば日本料理は人気があるとの ことで日本人の私には嬉しいことです。

私が実際にインターンシップ生として研究をしているのはCHiPESという研究室で、普段はこの研究室で勉強をしています。CHiPESには私と 同じようにインターンシップ生としてNTUに来た学生もおり、いろいろと話をしたりしています。インターンシップ生は研究がメインなので 自由な時間が多く、恵まれた環境を利用してプールで水泳や、グランドでサッカーをして楽しんでいるようです。私も6年ぶりに テニスラケットを握って年柄もなく走り回ってしまい、翌日筋肉痛になるほど楽しみました。日曜日は研究室に入れないのでシンガポールの 各地の観光場所を回って写真に収めています。まだまだ興味深い観光場所があるので、暇を見つけては訪れてみようかと思っています。

こうして楽しくシンガポールでの生活を満喫できているのも、いろいろな方の手助けがあってのことで、アドバイザーとなっていただいた MohitさんとFauziさんのお二方には忙しいなか研究の相談にのっていただき、入学手続きの際にお世話になったMerilynさんをはじめとした スタッフの方々もいろいろと滞在に関して手助けをしていただきました。

私のシンガポール生活も残り2ヶ月を切りました。残り2ヶ月、せっかくの多民族多文化のシンガポールですから、様々な場所に出向いて、 様々な異文化に触れてみようと思います。