多変数関数の解析的重ね合わせと偏微分方程式系

概要

多変数関数の解析的重ね合わせについて興味を持って研究を行っている。この問題の起源は古く、また素朴であり、多変数の関数を2変数や少ない変数の関数のみを用いて表示できないかというものである。

この種の問題の有名な定式化としてはヒルベルトの第13問題があるが、そこでは、2変数連続関数を用いた重ね合わせが問題となっていて、それはKolmogorov、Arnol’dによって解決されている。これによれば、任意の多変数関数は、2変数連続関数の特定の型の重ね合わせで表示できるということである。

しかし、解析関数や代数関数、滑らかな関数等を用いた重ね合わせについては、そのような単純な結論は得られず、多くが謎のままである。本研究では、解析的あるいはある程度滑らかな重ね合わせについて調べている。そしてある特定の型の重ね合わせについては、そのように表せるための必要十分条件が具体的な(代数的)偏微分方程式系で表示できることがわかってきた。より一般的な場合について、対応する方程式系の特徴づけを行う。